Home > 施工事例戸建住宅(50音順)逗子KN邸

逗子KN邸 -骨太のモダンハウス-

KNH_WEB01.jpg
袋小路の行き止まりに建つ建物。どこが敷地境界かわからない曖昧さが敷地を広く見せている。
 
建設地 神奈川県逗子市
家族構成 ご夫婦
構造/階数 混構造(鉄筋コンクリート+木造)2階建
敷地面積 約128m2(39坪)
用途地域 第一種低層住居専用地域
建蔽率/容積率 50%/100%
建築面積 約128m2(38坪)
延床面積 約90m2(27坪)
設備 電気、給排水、空調、床暖房、TV、電話、インターホン
設計・監理 植本計画デザイン
植本俊介
構造設計 SIGLO建築構造事務所
山口吉紀
設備コンサルタント

五十嵐設備設計

五十嵐隆一

施工

新幸建設

竣工 2001年6月
本体工事費 約1980万円(73万円/坪)
 

 弟夫妻から出された要望は、家全体がワンルームのようなつながりを持つこと、ガレージルームを設けること、そして木を生かした本物の家づくりをして欲しいという点でした。

 

 それらを折りこみ居心地の良い住まいを作ることは当然としても、それ以上に彼らの個性を引き出す“何か”が必要だと考えました。ずっと頭の中にあったのは、 民家の持つ力強さや生命力をモダンデザインとして蘇らせたいという思いです。

 

 

  
KNH_WEB02.jpg
林立する木の骨組みが奥行感を強調し広く見せる。
 
KNH_WEB03.jpg
芝生の庭へとつながるリビング。
 
KNH_WEB05.jpg
コンクリートと木のマッチング photo by Yoji Watanabe
 
KNH_WEB09.jpgアプローチと逆側の庭から見る夕景 photo by Yoji Watanabe
 
 そこで、門型の木の骨組みやコンクリートの構造体をあらわしで使うことにしました。柱・梁は集成材、天井・壁・床は全て厚さ35mmの無垢板です。屋根と壁が一体となった骨組みによって、「ひとつ屋根の下に暮らす感覚」を作り出すことができました。
 

◆林立する骨組みによるヒダや陰影のある空間

 建物は骨組みだけの時が最も生命力がある、そう感じたことは一度や二度ではありません。仕上中心の今の建物は、単にうわべだけの美しさで、せっかく苦労して作った柱や梁は裏方としての役割しか果たしません。構造と空間が一致している昔の建物の方がはるかに生命力があり、感動がありました。良くあるぺらぺらなものではなく、ヒダや陰影のある空間を作りたいと思いました。

 

 1階は柱を減らしてすっきりさせるためコンクリート構造とし、2階を木の連続する骨組みにより見通しの利くダイナミックな空間としています。家の中心となるリビングは空間的にも構造的にも1階と2階との接点となるよう、ここだけは、2階の骨組みを1階に降ろしています。骨組みは、空間に強い方向性を与えると同時に不思議なスケール感を醸し出しています。間隔は90cmピッチであえて細かくし、空間を逆に広く感じられるようにしています。

 

◆小さくとも広がりのある空間

 小さな家の宿命はいかに空間を広く感じさせるかということです。この家では、単に大きなスペースを取るのではなく、違った性質を持つスぺースを少しずつ重ね合わせていくことで、自然な広がりが生まれることを意図しています。外部に対しても自然につながってゆき、廊下や階段もスペースの延長として考えています。

 

 コンクリートと木の使い分け、天井の高さの差、開口の取り方なども工夫し、リズムとメリハリのある空間としています。必要なところには建具を入れ、場面場面で空間を区切って使えるようになっています。

 大小さまざまの開口部からは光や風が柔らかく降り注ぎ、しかも季節や時間によってその表情は変化します。「いつまでいても飽きない居心地の良い住まい」がここに実現したのです。

 

◆素材むき出しの迫力ある空間

 吸湿性や断熱性といった木本来の性質を生かすためにも、無垢の木や集成材をそのまま使う方が好ましいのは当然です。

 コンクリート、節だらけの羽目板、つぎはぎだらけの集成材が醸し出す質感は少々荒っぽいですが、きれいにお化粧された空間とはまた違った迫力ある空間が出来たのではないかと思っています。

 

◆敷地

 一般の人は変形の敷地を嫌います。しかし、変形の方が敷地の個性を生かせる場合があります。変形の敷地に対して建物はあえて矩形にし、余った土地をうまく活用するよう考えています。

 

◆配置

 敷地は、袋小路の突き当たりで奥側が開けています。したがって、建物を目一杯横長に置き、敷地の間口を最大限活用しました。表と裏とを隔てることで、裏側にプライベートな雰囲気を持たせています。

 

◆構造

 木造部分は、短手方向は木造の門型の柱梁で支えており、長手方向は柱の外側の羽目板で支えています。桁はなく、筋交なども用いていません。木造では仕口部分への力の集中が弱点となるので、均一な面として全体的に力を分散させています。方向によって構造方式を変えることで空間的な方向性も明快になりました。

 壁の羽目板は構造であると同時に内装仕上も兼ねています。単に柱の外側に羽目板を打ち付けているだけなので、施工が簡単でしかも内側からは釘がいっさい見えないという利点もあります。

 
KNH_WEB06.jpg   KNH_WEB07.jpg
柱の間にはアッパーライトが仕組まれている。 林立する柱の夜景
 
KNH_WEB08.jpg
林立する骨組みは下方向への視線も誘導する。
 
KNH_WEB14.jpg
表側のテラスと畳スペース
 
KNH_WEB10.jpg   KNH_WEB11.jpg
コンクリートに囲われた洗面 洗面と一体感のある浴室 photo by Yoji Watanabe
 
KNH_WEB12.jpg   KNH_WEB13.jpg
正面夜景 裏側の道路から
 
 
 
  図面はこちら(PDF)    
 
 
 
 
      ←戸建住宅施工事例へ戻る