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もうひとつの震災復興

 

熊本地震の復興もまだまだこれからですが、東日本大震災の被災地がどうなっているかを確かめるために、先月、三陸海岸まで足を伸ばしてきました。行ったのは宮古から釜石までの海岸沿いの街です。 

こういう部分を見れば、何事もなかったような平穏で美しい風景なんですが・・・

 

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港湾施設もだいぶ復旧しているようでしたし、遠目からは一見何事もなかったようにも見えます。

 

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しかし、街中に入ると状況は一変します。釜石のような大きな街を除き、まだほとんどが全く何もない更地のままでした。

 

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その中で、かさ上げされた建設中の防潮堤だけが、異様な景観を見せています。これは宮古ですが、高さは10m以上はあります。

 

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巨大防潮堤の建設は思った以上に進んでいました。この計画は景観を壊すとか、海が見えないのでかえって危険など、当初から反対意見が多いのに、強引に進められています。

 

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あれだけの大津波が襲ったわけですから、なんらかの対策は必要ですし、そのために堤防のかさ上げも必要でしょう。しかし、たとえ10mの高さでも前回の津波は防げないわけですし、この場所のように、後ろに山が迫っていて、後背地がそれほどないところや人が住まないようなところは、もっと他のやり方もあるように思います。

 

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この穴を通って本当に逃げられるんでしょうか。

※追記:これは覗き穴なんだそうです。

 

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宮古警察署そばの防潮堤も着々と建設が進んでいました。

 

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ここでは穴ではなく階段がつけられていますが、非常時はともかく、街の人にとって日常の海は近くて遠いものになってしまいました。

 

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田老町の高さ10mの防潮堤は東日本大震災の津波で倒壊しました。

http://www.iwate-np.co.jp/311shinsai/saiko/saiko110505.html

「想定外」の津波が襲ってきたからです。その時の教訓は生かされているのでしょうか。

 

原発が津波に襲われたのも「想定外」。今回の熊本地震で翌日に本震が襲ってきたのも「想定外」。阿蘇大橋が地盤ごと流されたのも「想定外」。地震のことはまだまだわかっていないことばかりです。おそらくまだまだ「想定外」のことは起きるでしょう。 大事なのは、常に「想定外」のことが起きるという「想定」です。

 

こういうことを言うと、代替案はあるのか?と言われそうですが、本来住民が納得出来る代替案を示さなくてはいけないのは行政です。だって、そのために税金で運営されているわけですから。しかし、手弁当で活動している市民グループの方々が専門家の協力を得て作成した代替案も示されています。いちいちリンクはしませんが、興味がある方はご自身でお調べになって下さい。

 

防潮堤や高規格道路の建設が先行しているのに対し、街路や街区の整備はまだこれから。建物は一部の商業施設や公共施設を除き、ほとんど手つかずのようです。

 

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被災建物はほとんどが撤去済みでしたが、中にはそのまま残されているものもあります。

 

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街中を歩いていると、店じまいした商店の窓先に、相田みつをの詩が掲げられていました。ここの持ち主の方はどういう気持ちでこれを張ったんでしょうか。

 

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