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住宅のデザイン&技術

各スペースの考え方

 
 空間構成によってはスペース区分もないかもしれませんし、部屋名すら再定義しなくてはいけなくなるかもしれません。ここでは一応、スタンダードな区分に従って、各スペースについての考え方を示しておきます。
 

リビングダイニング

   
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 リビングダイニングは、「要は、家族が集まり、くつろげるスペースです。タタミがあっても良いし、囲炉裏や暖炉があっても良いし、用途も食事やくつろぐスペースだけでなく、勉強や趣味のスペースがあっても良いと思います。また、テラスや庭とのつながりがあるとふだんも気持ちが良いですし、パーティーなど来客を呼んだときにもより広がりのあるスペースの使い方ができます。

 
 もうひとつ、無視できないのがテレビの存在です。テレビばかり重視するのも考えものですが、テレビは空間の方向性を決定するのでおろそかにはできません。テレビをよく見る家庭なら良いポジションを与えてしかるべきですし、テレビをあまり見ない家でも、できるだけ見やすく納まりの良い位置というのを考えて設計しています。
 
 

キッチン

 
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 キッチンの考え方もここ何十年かで大きく変わりました。炊事をするための部屋から、調理そのものを楽しむスペースへと変わってきた」のです。極端な話、食事をするスペースの一部が調理スペースというのもアリだと思いますが、オープンにするか、セミクローズドにするかは、住まい方にも大きく左右されます。キッチンを使う頻度や調理の内容、またどなたが使うのか、奥さんがほとんどなのか、旦那さんやお子さんやお友達など他の方も使うのか?そのような条件によって求められるキッチン像は千差万別です。

 

 最初にキッチン形式ありきではなく、ライフスタイルから描き出されるキッチン像を描いた上で、適切なキッチンのあり方を提案するようにしています。

 
 

ユーティリティースペース、ワークスペース

 
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 ユーティリティーと言えば以前は家事スペースのことでしたが、それとは違う意味で最近ユーティリティースペースが重要になってきています。つまり、「家族のコミュニケーションの場としてのワークスペース」です。パソコンを使ったり、アイロン掛け、ミシン掛け、洗濯物をたたむなどの家事をしたり、手芸や工作をやったり、あるいはお子さんが宿題をしたり、宿題を食卓でやった経験のある方は結構いらっしゃると思いますが、個室に籠もるのではなくあーだこーだいいながらそういうことをやるのは楽しいはずです。
 
 そういうスペースをどのようにしつらえるかはケースバイケースですが、最近ではリビングやキッチンの近くにそのようなスペースを取ることが増えています。
 
 

個室

 
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 家族のつながり、家族で過ごす時間を重要視すると、おのずと個室よりもリビングダイニングのような共有のスペースを重視する考えになります。そもそも個室や各室が必要なのか?と考えた場合、極端なケースでは家全体がワンルームでも良いという考えもあります。家が家族のいこいの場であるとすれば、必要なスペースのつながりをまず考えて、区切る必要がある部分を個室として考えるようにしています。
 
 逆に家族が自立した大人の集合体である場合は、共有空間がほとんどなく、個室中心という考えもあり得るでしょう。
 
 

水回り

 

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◆光と風を取り込んだ開放感のある水回り

 水回りは、通常、北側に設けられることが多いですが、水回りで過ごす時間は案外長いものです。ですから、「水回りは光や風が入り開放的な気持ちの良いスペースにしたいものです。朝のさわやかな光を取り込んだ洗面スペース。外の景色を見ながら湯船にゆったりと浸り、1日の疲れを癒すことのできるバスルーム。身だしなみを整えるだけにとどまらず、心身を開放してリラックスできる貴重な時間です。

 入浴は日本が世界に誇るべき素晴らしい文化です。空間に限りのある都市型住宅においても、その感覚をできるだけ実現してゆきたいと考えています。また、水回りを開放的に設計すると、湿気がたまりにくくかびにくいというメリットもあります。

 

◆トイレと洗面、バスルームはできるだけ分離

 バスルームの中にトイレ、洗面を一緒に計画することを3in1などと呼びますが、ホテルなどでスタンダードなこの形式は、西欧のライフスタイルから来ているもので、日本のようにバスタブの外で水を流す生活様式に適しているとはいえません。また、トイレをバスルームの中に取り込むと、入浴中は他の人は使えませんので、入浴時間の長い日本のライフスタイルには不向きです。私の設計では「トイレはできるだけ洗面、バスルームから分離」するようにしています。もちろん、極限までスペースの効率化を図りたい場合やトイレが複数ある場合などはこの限りではありません。

 
  

収納

 
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 「モノはできるだけ使う場所に収納する」ことがベストです。使うときに取り出して使い終わったら収納する。その一連の動作がスムーズにいかないと、結局出しっぱなしになってしまったり、逆に使わずにお蔵入りになってしまいます。使うものや使い方をきめ細かく想定し、設計する場合もありますが、使い方は変化するものですし、想定しにくいものもありますので、「なんでも細かく設定すればいいというものでもなく、基本的な考えさえしっかりしていれば、むしろ融通を利かせて自由度を残しておくことも必要」です。
 
 また、苦労して収納を作ったところで、すぐに満杯になることは良くあることです。モノへの欲望はキリがないですし、地代の高い都市部では収納スペースにも多大なコストがかかっていることをお忘れなく。
 
 

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