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住宅のデザイン&技術

構造

 

適切な構造形式の選択・・・必要な空間のための必要な構造

 
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 私の事務所では現在あらゆる構造形式に対応し、木造在来工法、木造ラーメン構造、鉄筋コンクリート(RC)造、鉄骨(S)造の現在存在する基本構法の全てに対応しています。また、混構造が多いのも特徴です。「まず必要な空間を考え、その空間を成立させるのに最も適した構造を選択する」ようにしています。

 
 多くの事務所では構造は得意分野があり、木造系か鉄骨・RC系かどちらかに偏っているケースがほとんどです。自由設計の場合、クライアントの希望する構造形式は必ずしも最初から決まっているわけではありません。打合せを少し進めた段階で最初の想定の構造形式を変更した方が良いケースはままあります。選択できる構造に制約があると、結局希望通りに進まないこともあり得ます。
 
 以前在籍していた事務所では、プレキャストコンクリート造のような特殊な構法も経験しました。また、SE構法についても実績があり、登録建築家になっていますのでいつでも対応は可能です。
 
 

基準法以上の安全設計・・・木造在来工法であっても必ず構造計算を実施

 
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 建築基準法はあくまで最低限の基準です。基準法では木造在来工法は壁率の計算という簡便な方式のチェックだけで、構造計算は義務づけられておりません。壁率を満たしているからといって必ずしも安全であるとはいえないのです。したがって、私の事務所では「木造在来工法であっても、必ず構造事務所に構造計算を依頼」しています。
 
 基準法で構造計算が義務づけられている、集成材を使った木造ラーメン構造、鉄筋コンクリート造、鉄骨造の場合でも基準法を機械的に満足すればいいというのではなく、建物や地盤の特徴、材料的な品質のバラツキなども考慮に入れた、現実に即して安全な構造になるよう設計しています。特に「木造在来工法の場合は材のばらつきや割れなどの問題にも配慮し、建築基準法の1.5倍の安全性を確保(性能表示等級3)」するようにしています。
 
 

必要に応じて適切な地盤改良を施す

 
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 過去の地震を見れば歴然ですが、建物の揺れは地盤の状態によって決定的に左右されます。しかし、地盤についても基準法では地耐力(地面が建物を支える力)については規定がありますが、地盤沈下や液状化現象に対しては、それを防止する対策に関しての有効な規定がありません。従って、基準法を守っていても建物が長期的に沈んだり、地震時に液状化によって建物が大きく傾いたりということは普通に起こり得ます。 瑕疵担保履行法においても、地盤についての扱いは曖昧な部分があります。
 
 私の事務所では、「地盤調査に基づいて、基準法には規定されていないことであっても、適切な地盤の改良を施す」ようにしています。
 
 木造の場合は、スウェーデン式サウンディング調査、RCや鉄骨造の場合は、ボーリング調査を実施し、地耐力が不足で建物の重量を支えきれない場合は、地盤改良や支持層まで杭を打つことになります。
 
 

基礎はベタ基礎(木造在来工法の場合)

 
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 木造在来工法の基礎形状には、独立基礎、布基礎、ベタ基礎などがありますが、最も安全性の高いベタ基礎を標準としています。基礎の厚さは基準法の基準よりも厚い200mmを標準とし、鉄筋の径や本数も基準法よりも増やし(※)、安全性を高めています。また、防水のために浴室まわりに設ける高基礎はコンクリートブロックではなく、強度のある鉄筋コンクリートとしています。
(※)具体的には構造計算で算出します。
 
 
 

壁面剛性、水平面剛性の確保(木造在来工法の場合)

 
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 壁については、基準法に筋交いや構造用合板などで耐力壁を確保するように規定があります。耐力壁は基準法の規定よりも多めに入れ、耐力壁となっていない壁についても、外壁は原則全て構造用合板(またはダイライトなど)で固めるようにしています。また、屋根や2階の床を固めることも重要ですが、基準法では火打梁を入れるという規定があるだけで、法の盲点になっています。私の事務所の場合、屋根や2階床の水平面についても構造用合板などで固めることで構造的に頑丈な建物を設計しています。

 
 
 

木材・・・構造材は極力国産材を使用

 

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 いくら安全な構造設計をしてもそれを支える材料が脆弱なものだったり、欠陥があったりしては意味がありません。

 木はその土地で育った木を使うのが一番良いとされています。寒い地域で育った木を日本で使った場合、シロアリに簡単に犯され湿気にも弱く腐りやすいです。北欧産のホワイトウッドと日本のスギを並べておいた場合、日本のスギはほとんどシロアリの害がなかったのに対し、ホワイトウッドはほぼ全滅という実験結果も出ています。したがって、構造材の木材については、極力国産の良質な乾燥材を使用するようにしています。

 

宮崎産のオビ赤杉、熊本産の桧
 
温暖地で生育しているため目が粗い傾向を持ちますが、本州のスギよりもシロアリに強く、また乾燥技術が優れていて狂いや割れが非常に少ないのが特徴です。人工乾燥材(KD材)は、適切にスケジュール管理されたものでないと、材に粘りがなくなり危険です。効率優先で高温で乾燥したものの中には、ホゾなどが簡単に取れてしまうものもあるので要注意です。ここのものはもちろんそういうことはありません。ブランド的価値がないため安価なことも利点です。通常、柱・梁にスギ、土台にヒノキを使用しています。

 

静岡県天竜川流域の杉・桧
 新月伐採、葉枯らし乾燥、トレーサビリティーといった先駆的な試みを行い、天然乾燥材の豊富な在庫を持っていることが特徴です。天然乾燥材は乾燥や割れの防止という点では人工乾燥材に劣りますが、人工乾燥材のように木の油分や香りが抜けてしまうという欠点もなく、粘りが失われないのが特徴です。

 

・長野県産の杉、赤松、桧
 コストは九州材よりアップしますが、寒冷地なので目は詰んでいます。長野で特徴的なのはなんといってもアカマツやカラマツです。特にアカマツはヒノキの梁がなかなか手に入りにくい現状では、国産材の梁としては魅力的な材だといえます。

 

・飛騨産の杉、姫子松、桧、栗
 寒冷地のため目が詰んでおり、材の種類が豊富なことに特徴があります。スギよりもヒノキが多用される地域なのでヒノキのコストパーフォーマンスに優れ、ヒメコマツやクリといった他地域にはない材が取れることも魅力です。ヒメコマツはやや高価ですがアカマツよりも節が小さく繊細な表情を持ちます。クリは枕木として使われるほど耐湿性、耐久性抜群の材料です。天然乾燥主体なので乾燥レベルという点では課題は残ります。

 

・カラマツ集成材(岩手&長野)
 カラマツは強度はありますが、ねじれながら成長するので、無垢材よりも集成材での使用が適しています。集成材は、強度、価格、品質の安定性の問題からベイマツなどの輸入集成材が多く使われています。私の事務所では、2005年より輸入材と同等の性能を持つ国産のカラマツ集成材を使用しています。産地は岩手や長野です。

  
 

鉄・・・重要な溶接の監理

 
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 鋼材に関しては規格があるので、それをチェックすれば良いですが、問題は溶接です。溶接は全て手作業なので、いい加減な施工は即強度の低下につながりますが、最近はコストダウンのあおりを受けていて、検査も省略される場合が多く、いいかげんな溶接が行われている場合も多いと聞きます。私の事務所では、図面によるチェック、製品検査、超音波探傷試験(溶接がきちんとおこなわれているかを確認する試験)の3段階のチェックを必ず実施し、品質の確保につとめています。

 

 

 
 

コンクリート・・・配合比の監理

 
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 コンクリートは水が多いとひび割れの多い脆弱なコンクリートとなってしまいますので、セメントに対する水の比率(水セメント比)をできるだけ下げたいのですが、下げると今度はコンクリートの流動性が悪くなってコンクリートが回りにくくなるという矛盾が生じます。

 

 そこで通常、水量を押さえつつコンクリートの廻りを良くするために、JIS規格のコンクリートでもAE減水剤と呼ばれる薬品を使用します。私の事務所では、打放しの場合や高品質のコンクリートが必要とされる場合には、通常よりも高性能なAE減水剤を使用しJIS規格以上の高品質のコンクリートを使用しています。その場合は骨材の品質や砂利、砂、セメントなどの分量にもデリケートな管理が要求されるので、コンクリートの試験練りなどを行って品質を確認しています。

 
  

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