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家づくりの依頼先   家づくりのプロセス   家づくりのコスト   施工会社の選定
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Introduction
誰に家づくりを頼むのか?
建築家に家づくりを頼む
家づくりに関しての相談窓口
 
設計・監理の進め方
設計・監理料について
規格型住宅の場合(準備中)
 
コスト管理のプロセス
コストの見通しを立てる
コストの中身
コストダウンあれこれ
 
施工会社の選び方
 
 

家づくりのコスト

家づくりには一体いくらかかるのか?設計事務所に依頼する際のネックのひとつに、建築にかかるコストをあらかじめ把握するのが難しいことが上げられます。しかし、これはフルオーダーでは避けて通れないところでもあります。ハウスメーカーや工務店に仮にフルオーダーで設計を依頼すると、とてつもなく高くなりますし、設計事務所であっても、ある程度決まったパターンであれば、コストの見通しは着けやすくなります。コストに関しては、いくらかかるかというのもさることながら、コストの成り立ちについて知ることはもっと大事です。逆に言えば、設計事務所でなければ、それを明らかにすることはできません。
 
  

コスト管理のプロセス

予算組<企画設計段階>
企画設計の段階で予算組のためにコストの見通しを付けます。大まかなご希望を伺った上で建物の坪単価を想定し、地盤改良、給排水の接続、解体、外構工事などが必要であれば、一定の費用を加えます。
 
 
概算見積<基本設計終了時>
基本設計が終了した段階で、概算見積を作ります。施工会社に依頼する場合もあります。なお、この段階では細かな仕様の決定には至っていませんので、概算見積はあくまでも見通しであって、正式見積に対しての精度を保証するものではありません。 概算見積が高すぎて予算の増額も見込めないときは基本設計の見直しを行います。
 
 
施工業者見積<実施設計終了時>
実施設計を進めながらもコストを念頭において設計しますが、自由設計の場合、各パーツが“時価”みたいなものなので、変更や仕様決定の度に見積を更新することは不可能です。実施設計の途中で一度見積を出すこともありますが、 多くの場合いったん図面をまとめてから候補となる施工業者に見積を依頼します。見積依頼は特命で出すこともあれば、5社くらいに出すこともありますが、 通常は3社見積です。施工業者の方も最初から勉強してくることはありませんし、設計内容も御希望を反映することが優先なので、大抵の場合出てくる見積は概算見積をオーバーします。
 
 
減額設計&再見積
予算オーバーの場合、オーバーの度合いに応じて減額設計を行い、再見積を依頼します。仕様だけで調整可能な場合がほとんどですが、若干の形の変更に及ぶこともあります。また、必要に応じて他の施工業者に見積依頼をかけることもあります。
 
 
契約金額の確定<工事請負契約時>
見積調整後の最終決着金額をどうするかはクライアントの判断によります。せっかくだからいいものを作りたいと予算を増額して決着することもありますし、あくまで予算の方を優先し、設計変更によって内容の方を落とすこともあります。建築士として必要な助言を行います。
 
 
現場に入ってからの変更
現場に入ってからの追加工事や仕様の変更は増減精算の対象になります。追加変更に関してはまず見積を取り、クライアントの了解を得た上で施工することが原則です。工事の過程での調整の範囲内の工事か追加変更工事か判断が分かれる場合があるので、クライアント、施工者とよく話し合って決定します。
 
 
竣工後の精算<最終工事金額の確定>
工事中の各段階での追加変更工事の増減金額を合計したものが、最終的な工事金額となります。
 
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コストの見通しを立てる

水ものの建築コスト
コスト管理というのは、設計の中では大事な項目ですが、フルオーダーの設計において、コストを正確に把握しながら設計することは、それほど容易なことではありません。建築というのは多くのファクターから成り立っており、敷地や施主の好みを反映しようとすればするほど、毎回毎回が違ったものになり、設計が煮詰まっていない段階で何がどれくらい効いてくるのかを読み込むのは容易ではないからです。概算見積を取っても概算は文字通り概算であって、設計終了後に正式に見積を取るとズレてきてしまうことは多々あります。
でも、建て主さんにしてみれば、そんなんではとても予定がたちませんから、自由設計の場合は、予算計画も予備費を含め余裕を持って計画し、建設予算にも余裕を持たせておくことが必要になります。
問題となるのはローコスト住宅の場合です。ローコストの場合、そもそも建設費に余裕などないからです。仮に余裕を持って計画するとしたら、今度は生活に必要な面積すら確保できなくなってしまいます。
 
夢を追うのか?コストを追うのか?
ローコスト住宅の場合でも、コストを確実に把握することを最優先にした設計を行えば、確度の高いコスト管理というのは不可能ではありません。毎回決まった業者に工事を依頼し、パターンを決め、同じような仕様で発注し、規格は極力統一する。特注部材を減らしできるだけ標準部材で構成する。敷地条件に合わせたり、施主の好みを反映する点については、一から考えるのではなく、パターンの変形で対処する。残念ながら、自由度は少なくなってしまいますが、それでも良い住宅は出来ますし、そのような需要もあると考え、現在、コストパーフォーマンスに優れた<規格型住宅>のプロジェクトを進めています。
通常の自由設計の場合は、コスト管理に走りすぎると設計の自由度が少なくなり、建て主さんにしてみれば、なんのために建築家に頼んだのか今度はそのジレンマに苦しむことになるため、途中段階で厳しい予想が立ったとしても、安全側で考えてその段階で夢を縮小するのはなかなか難しいことです。夢は実現したいでもお金がないというケースがほとんどですから、安全に着地できる設計が難しい場合は、ある程度ブレが生じる(ほとんどの場合増額になる)ことを承知いただいた上で、出来るだけコストを切りつめる方向で設計しています。
 
建物の形や敷地条件でこれだけコストは違ってくる
住宅の設計を繰り返しやっていれば、例えば、坪60万の仕様、坪80万の仕様、といったように坪単価と仕様の関係が把握できるのではないかと思う向きもあるかもしれません。いい材料を使えば高くなる、 設備のグレードを上げれば高くなる、断熱仕様を上げれば高くなる、それは当然のことです。ところが現実にはそのような仕様の差以外の部分でかなりの差が生じるのです。
建築費は建物の形や敷地条件によっても大きく上下します。例えば、接道条件の悪い狭い敷地に建築する場合と広い敷地に建築する場合とでは同じような仕様でも建築費には2〜3割の差が出ると言われています。敷地が狭いと小型車しか入れず、搬入も小分けにしなくてはなりませんから、効率が悪いのです。道路と敷地との間に高低差がある場合も、 同様の理由で割高になります。
敷地に給排水が来ているか否か。擁壁をやり直すなどの付帯工事が発生するか否か。そのような条件の差によっても大きな違いが出てきます。
地域差というのもあります。積算資料や建築雑誌のデータを見ていると、同じ建築内容でも2割ぐらいの地域格差があるようです。ただし、バラツキの程度は、工種によってまちまちですから、建設物価指数をかければ建設費の差が出るというほどことは単純ではありません。
建物の形でも差が出ます。平面的に見て、正方形のプランと細長いプランのものとでは同じ面積でも壁面積が増えるので細長い方が割高になります。L型や凹型ではさらに割高になります。階高が高くなったり、凹凸が増えたり、吹抜があったりするのも施工面積が増えるわけですから、割高になる要因です。
 
目に見えにくい“仕様の差”
設備のグレードが変わったり、仕上の材質が変わったりするところでの仕様の差は誰でもわかります。やっかいなのは、目に見えにくい仕様の差です。
例えば、一般的に言って、開口の多い家は高くつきます。空間を仕切る道具は壁より建具の方が高いですから、大きな開口を取れば、割高になるのです。大きさだけでなく、規格サイズと特注サイズでは当然特注サイズの方が高くなります。つまり、ハウスメーカーのように規格品の窓を小さく開けるのと、空間に合わせて自由に大きな開口を開けるのとでは、その部分のコストは随分違ってきます。
それから、木造住宅だと構造現しの方が構造を隠蔽し仕上で覆うよりも高くつきます。構造をあらわしにすれば、仕上の分が浮くから安いと思いがちですが、仕上になることを前提とした構造を作るよりも、安い材料で覆う方が現実には安い場合が多いです。
 
施工会社による差
さらに読みにくい部分でなおかつブレが大きいのが、施工会社による差でしょう。設計・施工分離の場合、複数の施工会社に相見積もりを依頼するのが一般的ですが、高いところと安いところでは2〜3割ぐらい違ってくるケースはザラです。ならば安いところに常に依頼すれば良いとお思いかもしれませんが、最安のところは常に一定しているわけではありません。
地域的な守備範囲の問題、工種的に得意不得意の問題、時期の問題(忙しいか暇か)、やりたい仕事かそうでない仕事か(敷地条件、売り上げとの絡み、営業的なメリットetc)などが複雑に絡んできて、その都度価格は上下しますし、実は、同じ会社でも見積もりする人によっても価格は違ってくると言われています。
 
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コストの中身

見積書の内訳
建築工事は下請け専門工事会社からの見積を足した直接工事費に元請け施工会社でかかる現場経費や諸経費を足せば、全体の工事費になります。工種が多い鉄骨造の場合を例に取って、見積書の項目を挙げると次のようになります。各項目はおおむね各職種に対応していると考えてください。下の例だと27の職種、実際にはもっと多いので1軒の住宅でも30社以上の専門工事業者が入ることになります。木造住宅の場合はもう少し少ないですが、それでも20社ぐらいにはなると思います。
 
見積書の内訳(鉄骨造の場合)
建築工事 仮設工事 仮囲い、工事用水・電気、仮設便所、足場、警備員、仮囲いなど
地盤、杭工事 地盤改良や杭基礎の工事。地盤が良好で必要ない場合もある
土工事 地面の掘削、山留め(掘った地面が崩れないようにする工事)など
鉄筋工事 コンクリートの鉄筋を配筋する工事
コンクリート工事 型枠を組む工事とコンクリートの打設
鉄骨工事 構造体を構成する鉄骨工事。外壁下地や鉄骨階段を含む
耐火被覆工事 耐火構造にするため鉄骨のまわりに耐火被覆材を巻く工事
屋根工事 勾配屋根の工事。陸屋根の場合はなし。材料によって職種が異なる。
防水工事 屋上やテラス、浴室の防水や隙間を埋めるシーリングの工事
外壁工事 使う材料によって職種が異なる
タイル、石工事 タイルと石屋さんは別の場合もある
木工事 大工さんが施工する木工事
金属工事 構造体以外の細かい金属加工。庇、階段、手摺り、物干し金物など
左官工事 タイルや防水の下地を作る工事やコテを使う厚塗りの塗壁工事など
金属製建具工事 アルミサッシュ、スチールサッシュなど
木製建具工事 大工工事で作る家具の扉も含む
ガラス工事 住宅用サッシュのガラスはサッシュ工事に含まれる。それ以外のガラス
塗装工事 ハケやローラーやスプレーで仕上げる薄塗材の工事
内装工事 断熱材、タタミ、軽量鉄骨下地組、プラスターボード貼りなど
家具工事 家具屋さんが作る家具、大工さんが作る家具は木工事に含むことが多い
雑工事 システムキッチン、カーテン、ブラインド、ポストなど
外構工事   建物まわりの門、塀、舗装、植栽など
電気設備工事 電力引込設備工事分電盤までの引込の工事
電灯コンセント設備工事 分電盤以降の配線工事
照明器具 照明器具とその取付のみ。スイッチは上に含む
弱電設備工事 電話、テレビ、インターホン、LANなどの工事
自火報設備工事 東京では住宅でも火災報知器の設置が義務づけられた
給排水衛生設備工事 給水設備工事 本管接続工事は別途となる場合があるので注意
給湯設備工事 湯沸器以降の給湯工事
排水設備工事 雨水と汚水の排水工事。本管接続工事は別途となる場合がある
衛生器具設備工事 トイレ、浴槽、洗面器、水栓金物などの器具と取付
ガス設備工事   ガスの引込と配管
空調換気設備工事 空調設備工事 エアコン、ファンヒーターなどの冷暖房設備
換気設備工事 換気扇や給気口の工事。浴室換気乾燥機を含む
床暖房設備工事   ボイラーを暖房専用とする場合と給湯兼用とする場合がある
現場経費   現場監督の人件費、施工図作成費用など
諸経費   会社を運営する経費と利益
 
建築工事は材工共価格が一般的
建築物は製品にしても材料にしても、適切な場所に施工してはじめて能力が発揮されるものばかりですので、製品代、材料代だけでなく取り付け工事費も含んだ材工共価格が一般的です。本来は「材」の価格と「工」の価格がはっきり区別されていればわかりやすいですが、実際にはそのようになっておらず、また区別されていたとしても「材」の価格は純粋な製品代や材料費ではなく、通常そこにも経費や利益が乗せられています。
なぜそうなってしまうかというと、実は施工費がいくらになるかというのが、施工会社の方でもはっきりとはしておらず、経費や利益は極めて大雑把な形で上乗せされているに過ぎないからです。建築工事の場合、「工」の部分は基本的には日額単価×作業日数で算出される作業人工がベースになっていますが、図面や工事の内容からでは読みにくい要素、つまり、天候や施工会社の段取りの悪さによって遅延や待ちが生じたり、設計事務所やクライアント側の都合による手間の増加、たとえば、製品の決定が遅れたり、施工直前あるいは施工直後でも変更が生じたり、そういうリスクをどのように見るかというのが、必ずしも明確ではなく、結果大雑把な形で上乗せせざるを得ないのです。
 「材」の部分も材料取りの仕方で変わってくる端材のロスや発注ミスや施工ミスによるロスも見込まれていますが、その見方もやはり施工業者によってもバラバラで大雑把なものなのです。
 
直接工事費の中にも利益や経費は含まれている
さらに、見積をわかりにくくしているのが、工種毎の各下請け専門業者さんの直接工事費の見積の中に、元請け施工会社の経費や利益も散らされて計上されていることです。なぜそういうことをするのかというと、経費が多く計上されていると元請け工事会社が儲けている印象があり、経費が往々にして値引きの対象になるため、利益確保のために各項目に散らして潜らせているのです。だいたい、施工会社は下請けから見積が上がってくると、5%〜15%を上乗せしていると言われています。
そのように直接工事費の中に経費を含んでいくやり方は昔からの習慣ですが、最近ではむしろディメリットの方が多く見直しの動きも出てきています。ユーザーに対してわかりにくく、価格の不信感を生みやすいだけでなく、仕様変更などによる価格調整もやりにくく、仕様変更を繰り返していくと施工会社の方も一体この現場でいくら利益が確保されているのかがわからなくなっているからです。
下請け業者の直接工事費はあくまで各業者の生の見積として計上し、元請け施工会社でかかる経費は高く感じられようとも必要な経費ならばきちんと乗せてゆくのがこれからの主流になるべきやり方だと思います。
 
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コストダウンあれこれ

建物形状の単純化
建物形状は複雑になればなるほど床面積あたりの表面積が増し、入り隅や出隅の取り合い部分が増えますので、材料、工賃両方で割高になります。したがって、凹凸の少ない正方形に近い形状ほどコストはかからないことになります。
 
構造体を経済スパンで設計する
構造体の柱、梁、壁などの大きさは、支える空間の大きさによって変化します。小さい空間では小さくなり、大きな空間では大きくなることは当然ですが、構造体のフレームが支える空間の大きさは大きすぎても小さすぎても無駄が増えるので、最も合理的かつコストのかからない寸法というのはほぼ決まってきます。構造体同士の間隔(スパン)が経済的になりたっている場合のスパンを経済スパンと呼んでいますが、大雑把に言って、木造だと1間(1800mm)〜2間(3600mm)、鉄骨造だと4m〜8m、コンクリートもほぼそれ位が経済スパンとなりますが、構造形式、階数、階高、地盤条件などによっても変わるので、杓子定規に考えるのは危険です。
 
必要がないものを削る
コストダウンの中で最も削減効果が大きいのが、入れる予定のものを中止することです。間仕切りを減らす、家具を減らす、窓を減らす、デッキやバルコニーを止める、仕上を止めるなど、割り切れるものがあれば、その分価格は下がります。
 
コストパーフォーマンスの高い売れ筋の仕様、製品を選ぶ
高いものを安いものに変えれば当然コストダウンにはなりますが、質感、性能などは高いものに劣るのはやむを得ないところです。 ただし、売れ筋のものは性能の割に価格が安くお買い得ですから、その中で希望のものが得られれば、お金のかけ方に対して満足度は高いといえます。
 
材料の種類、職種を減らす
一般的に言って、材料は多種類の材料を少しずつ使うよりも、種類を限って大量に使う方が安くなります。梱包単位が決まっている材料はそれより少なければ、使わない分は無駄になりますし、また種類が増えればそれぞれでロスを見込まなくてはなりません。運送費も宅配便で運べるものは良いですが、チャーターで配送が必要なものは少量だと割高です。また、材料が増えると材料同士が取り合う部分も多く発生しますから、手間もそれだけかかり、場合によっては見切り材などの材料も余計に発生します。
それでも同じ職種の中で材料を変える、例えばペンキの色や種類を部位毎に変えたりする程度だったら大したことはありませんが、職種を増やしてしまうと一気に割高傾向が強まります。打合せ、搬入、準備、後かたづけといった作業は材料が増えても減ってもあまり変わりませんから、少量だと無駄が多いのです。
 
施工手間を減らす納まりや構法の選択
材料や製品にお金が使われるのは納得がいきやすいと思いますが、施工手間はできれば効率よく作業してもらってできるだけ減らして欲しいというのが人情でしょう。施工性を改善して作業の効率を高めることが出来れば、当然それはコストに反映されてきます。全く同じものを施工方法を変えるだけでコストダウンできるのなら、話は簡単なのですが、実際はそう単純ではありません。例えばある部材の取り付け工事を行う場合に、クレーンや足場などの仮設工事をきちんとやって一気に施工する方が良いのか仮設工事にお金をかけないかわりに人手をかけてこまめに作業をする方が良いのか、判断が分かれるケースも多いのです。また、本来は安くなるはずの合理化構法も職人さんが慣れていないとかえって手間取り、多少手間がかかっても慣れている今までのやり方でやらせてくれというケースも非常に多いです。
 
配管ルートの短縮
設備の配管ルートが長くなると配管材料や工賃が増えますので、プラン上の工夫で水回りの位置をまとめ、配管の長さを短くしたり、接続枡の箇所数を減らせば、当然コストダウンにつながります。
 
規格品を活用する
規格品と特注品とを比べると当然規格品の方が安いです。設計事務所の設計では、寸法を自由に決めたり、取り合いを重視するため、特注品を使うことが多くなりますが、規格品で割り切れば安くなるのは当然です。規格品をうまく組み合わせたり、規格品に特注部材を足したり、工夫できることもあると思います。
 
メーカーの責任施工でなく施工業者の責任で施工する
メーカーの責任施工というのはメーカー製品をメーカーが指定した代理店でメーカーの品質管理体制のもとで施工し、施工品質をメーカーで担保するやりかたです。品質は保証されますが、その分価格は高くなります。ものによってはメーカーの責任施工でなくとも施工業者の責任で施工すればこと足りるものもあります。
 
メーカーの製品ではなく汎用部材を使う
固有の製品名がついているメーカーの製品は品質管理がいきとどいていて、信頼性は高いですが、品質保証や広告宣伝などの経費が余計にかかっており、ブランド的な付加価値がついている場合も多いです。それに対し、どこのメーカーでも扱っているような汎用部材はそのような経費がかからないのと、 競争により価格も下がるので割安です。そのような汎用部材もメーカーが作っているわけですから、品質が明らかにさえなっていれば、そのようなものを使うのも手です。ただし、製品対汎用部材で考えた場合、製品がワンセットの完成品となっているのに対し、汎用部材の方はいくつかの素材を加工して組み合わせるケースが多く、そのような場合は品質をどう確保していくかについて、設計側施工側両方で綿密な検討を行わなくてはなりません。
 
必要以上の品質を求めない
製品を組み合わせていくのではない、素材を手作業で加工して組み立てていくやり方は平たく言えば「手作りの家」です。手作りですから、既製品のように寸法が揃っていて、全く狂いがないというわけにはいきません。手作りのものがもつ若干の不揃いについては目をつぶってもらう必要もあります。 逆にそれさえ割り切ってもらえれば、ローコストで本物の素材やオリジナルな設計が手に入ります。例えば、家具工事で作る家具は品質は高いですが、そこまで必要なければ大工工事+建具工事でやれば大抵の場合は安く済みます。
 
流通過程の短縮
日本の流通が複雑なのは周知の事実ですが、その流通の問題も次第に改善されつつあります。材料の発注は今までは下請け施工業者の取引のある問屋から仕入れることがほとんどでしたが、今は元請け施工会社で直に発注するケースも増えてきました。メーカー→販売会社→問屋→下請け専門業者→元請け施工会社(ケースによってはもっと複雑)よりもメーカー→販売会社→元請け施工会社の方が安いのは当然で、材料指定品などは直接元請け施工会社で買ってもらうようにするのが安くする秘訣です。
 
材料の直接支給(材工分離)
もっと安くする方法としては、インターネットなどで売っている激安品などを自分で購入し、取付だけを施工会社に頼む方法があります。その場合、発注ミス、製品の不具合などのリスクはクライアントが負うことになります。せっかく買ったのに付属品が付いていなかったり、付属品の規格が施工会社で想定していた規格に合わなかったり、不具合が生じたときにそれが製品に起因することなのか取付や施工上の問題で生じたことなのかが明確でなかったり、トラブルもあるので安物買いの銭失いにならないよう注意も必要です。
 
分離発注
家を構成する各部分の施工は各下請け専門工事会社がやるわけですから、工事のまとめ役を施主ないしは設計事務所でやれば、元請け施工会社なしで家を作ることは不可能ではありません。そのような考え方が分離発注制度です。分離発注のメリットは不透明な価格の上乗せがなくなること、家づくりを直接担う各職人さんとのつながりが強まることなどが挙げられます。
一方、ディメリットとしては、よほどしっかり管理しないと責任の所在が曖昧になりやすいこと、設計事務所が工事管理までやると肝心の設計業務がおろそかになりがちなことなどが挙げられます。大工さんが指導的な立場を果たす木造在来工法であれば比較的やりやすいと思いますが、設計も施工も一定のパターンを決め、 常に同じ職人さんで施工するなど、条件を整えてやらないとうまくいかないと思います。私の場合は設計の守備範囲が広いので、今のところは分離発注は対応していません。
そのような大がかりな分離発注ではなく、一部のものを別途工事として直接発注することはあります。例えば、キッチンや造園やカーテン、エアコンを直接発注するようなケースです。その場合でも取り合い部分の調整を甘く見ると失敗するので注意が必要です。
 
自分でやる
究極のコストダウンは自分でやるということです。自分で工事をやれば工賃についてはお金はかかりません。どの程度の工事までやれるかは人それぞれで、外国では家自体をセルフビルドで作ってしまう人も多いですが、日本の住宅の場合、耐震性や耐風性などの面で性能的には高いものが要求され、レンガを積み上げていってハイ完成!というわけにはいきません。家全部を作るのはセミプロレベルの人でないとまず無理です。 無難なのは、外構や塗装や左官仕事です。塗装は浸透性の透明塗装ならば、ムラも目立たず素人でもできます。あと、木を植えたり、柵を作ったり、一部でも自分でやると家づくりもより愛着が沸きますから、是非トライしてみてはいかがでしょうか?
 
重要なのはコストダウンではなくコストコントロール
上のような手法を全て組み合わせれば、劇的に安い建物が実現する・・・わけではもちろんありません。あくまで内容あってのコストであって、コストダウンばかりに目がいって、極端な性能ダウンを引き起こしたり、メインテナンスを含めたランニングコストがかさむようではかえって高い買い物になってしまいます。また、自分に何が必要で何が必要ないかの見極めも大事です。何が必要かを追求していく過程において、必要なものにはお金をかけ、必要がないものは省いていく。安いばかりではなく、お金のかけ甲斐があるコストパーフォーマンスに優れた建物を目指すべきだと思います。
 
 
 
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